リースバックにクーリング・オフは使える?契約したあとで「やめたい」と思ったときに知っておくこと

自宅を売るリースバックでは、不動産のクーリング・オフは基本的に使えません。契約後にやめたくなったときの手付解除の仕組み、説明と違ったときの取り消し、そして「契約の前」にできる備えを、やさしくご説明します。
「契約したけれど、やっぱりやめたい」。大きな決断のあとに、こう感じることは珍しくありません。ところが、自宅を売るリースバックでは、いわゆる「クーリング・オフ」は基本的に使えません。ここでは、その理由と、契約のあとでできること、そしていちばん大切な「契約の前の備え」をまとめます。
なぜ、クーリング・オフが使えないのか
不動産のクーリング・オフは、宅地建物取引業法第37条の2に定められています。この制度が守っているのは、不動産会社から家や土地を「買う」人です。不動産会社が売主となり、事務所以外の場所で申し込みや契約をした買主は、書面で説明を受けた日から8日以内であれば、契約を解除できます。
リースバックでは、立場が逆になります。
| 一般的な不動産の購入 | リースバック | |
|---|---|---|
| お客様の立場 | 買主 | 売主 |
| 事業者の立場 | 売主 | 買主 |
| 不動産のクーリング・オフ | 条件を満たせば使える | 基本的に使えない |
お客様が売主になるため、この制度の対象にはなりません。福岡県消費生活センターも、「ホットな消費者ニュース 2025年10月号」で「自宅の売却はクーリング・オフができません」と注意を呼びかけています。訪問販売などで知られるクーリング・オフの制度も、自宅の売却には基本的に使えないと考えておくのが安全です。

契約したあとで、やめたいとき
手付解除
売買契約では、契約のときに手付金を受け取ることが一般的です。相手が契約の履行に着手する前であれば、手付金を使って契約を解除できる場合があります(民法第557条)。
- 買主(事業者)から解除するとき:支払った手付金を放棄する
- 売主(お客様)から解除するとき:受け取った手付金の倍額を、相手に支払う
たとえば手付金が100万円なら、お客様からやめるときは、200万円を支払うことになります(受け取った100万円を返し、さらに100万円を支払う形です)。やめるにも、お金がかかるということです。
期限を過ぎたあとは、違約金になることも
相手が履行に着手したあとや、契約書で定めた期限を過ぎたあとは、手付解除ができません。それでも契約をやめる場合は、契約書に定められた違約金を求められることがあります。違約金の額は、売買代金の一定割合として定められていることが多く、負担は大きくなります。
手付金がいくらか、いつまでなら手付解除ができるか、違約金はいくらか。この3つは、売買契約書に書かれています。署名の前に、できるだけご家族と一緒に確認してください。
説明と違っていたときは、取り消せる場合があります
事業者とお客様の契約には、消費者契約法が適用されます。次のような場合は、契約を取り消せることがあります。
- 大切なことについて、事実と違う説明を受けた
- 「この先も値下がりしない」など、将来の不確かなことを断定的に言われた
- 「帰ってほしい」と伝えたのに、帰ってもらえなかった
- 「帰りたい」と伝えたのに、帰してもらえなかった
取り消せる期間には限りがあります。おかしいと感じたら、早めに消費者ホットライン(188)や、弁護士にご相談ください。当相談室でも、契約書の内容を一緒に確かめるお手伝いをしています。
いちばん大切なのは、「契約の前」です
クーリング・オフが使えない以上、契約の前の確認がすべてと言っても言い過ぎではありません。次の5つを心がけてください。
- その日に決めない:「今日だけの条件」と言われても、いったん持ち帰ります。
- 書面を持ち帰る:売買契約書と賃貸借契約書(または案)を、前もって受け取ります。
- ご家族に同席してもらう:一人で判断しないことが、いちばんの備えになります。
- 複数の会社を比べる:買取価格だけでなく、毎月のお家賃、契約の種類、買戻しの条件を並べます。
- 手付金・違約金・解除の期限を確かめる:上でご紹介した3つです。

契約書のどこを見ればよいかは、国土交通省のガイドブックから学ぶ7つの確認点と、ご契約の日の流れでご紹介しています。よくあるトラブルの例は、リースバックで起こりやすいトラブル5つをご覧ください。
当相談室の進め方
当相談室では、ご契約の前に、価格・お家賃・契約の種類・買戻し・解除の条件を一覧表にして、書面でお渡しします。ご契約の日には、契約書と重要事項説明書を一緒に読み合わせます。その日に決めていただかなくて構いません。「いまは売らない」という結論になっても、もちろん大丈夫です。
まとめ
- 自宅を売るリースバックでは、不動産のクーリング・オフは基本的に使えません。
- 契約後にやめるときは、手付金の倍額の支払いや、違約金が必要になることがあります。
- 説明と違っていた場合などは、消費者契約法で取り消せることがあります。早めにご相談ください。
- いちばんの備えは、その日に決めず、書面を持ち帰り、比べてから決めることです。
契約の条件まで含めて比べたいときは、無料の一括査定からご相談ください。
この記事のよくある質問
リースバックの契約は、クーリング・オフできますか
売買契約を結んだあとで、やめることはできますか
説明と違う内容で契約してしまった場合は、どうすればよいですか


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